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札幌家庭裁判所岩見沢支部 昭和37年(少)1376号・昭38年(少)85号

主文

少年を特別少年院に送致する。

当裁判所が昭和三六年六月八日になした少年を初等少年院に送致する旨の決定を取消す。

理由

(非行事実)

少年は、

第一  昭和三七年九月一四日午前一一時ごろ、砂川市国鉄○○駅吹抜倉庫附近において、一面識もない高校生G(当時一六年)外一名に対し、「金を貸せ。」と申し向け、もし右要求に応じなければどんな乱暴をもしかねないような態度を示して同人等を畏怖させ、よつて即時同所で右Gから現金二〇〇円の交付をうけて、喝取し、

第二  昭和三八年一月一一日午後四時ごろ砂川市国鉄○○駅前所在の喫茶店「△△」で知り合つた高校生H子(当時一六年)を強いて姦淫しようと考え、山田光雄(当時三一年)と共謀のうえ、同日午後六時ごろ、甘言をもつて、同女を右「△△」前から自動車に乗せ、同市○○×丁目△△アパート二階の右山田の居室に連れ込み

(一)  同女の靴を押入内に隠したうえ少年において逃走しようとする同女の腕を掴み、「ここまで来てただで帰すわけにはいかない。」と申し向けたり、同女の顔面を平手で一回殴打し、かつ同女の逃走を防止するため少年および山田において交代に同女を監視し、同日午後八時四〇分ごろまで約二時間四〇分にわたり、同女を右山田の居室に拘禁してその自由を奪い、もつて不法に監禁し、

(二)  その間同所において山田はデレッキを同女の顔を突きつけたり同女の左手を背中にねじ上げ、「云うことをきかないと殺すぞ、ただではおかないぞ。」などと申し向けて脅迫し、その反抗を抑圧したうえ、強いて同女を姦淫し、次いで少年は同女に対し、「山田にやらせて俺にやらせないのか、頭にくるな。」といいながら平手で同女の顔面を一回殴打し、その反抗を抑圧したうえ、強いて同女を姦淫し、さらに山田は同女が前記脅迫暴行等により畏怖しているのに乗じ強いて同女を姦淫し以上の少年および山田の姦淫行為により同女に処女膜、腟入口部下部擦過の傷害を負わせ、

たものである。

(法令の適用)

第一の事実    刑法二四九条一項

第二(一)の事実 同法二二〇条一項、六〇条

第二(二)の事実 同法一八一条、一七七条前段、六〇条

(要保護性)

1  少年の初発非行は九歳ごろ始まり、これまでに教護院(北海道大沼学院および国立武蔵野学院)に三回、初等少年院に一回収容され専門的指導を受けてきたが、効果に見るべきものがない。

2  本件は初等少年院仮退院後間もなくの非行であるばかりでなく、特に第二の監禁、強姦致傷の行為は被害者にもやや落度があつたとはいえ、きわめて悪質であるし、少年には非行に対する反省心もなく、その反社会性には根強いものがあると認められる。

3  少年の家庭は父をはじめとして兄三名にも前科があつて保護能力はなく、他に適当な社会資源も見当らない。

4  右のような少年の非行歴、非行程度、処遇経歴、家庭環境等に照らし、少年の更生を図るには再度少年院に収容し、矯正教育を施す以外に方法はないものと認められるが、少年の強度の反社会性、教護院、初等少年院を経て収容ずれしていることなどを併せ考えると初、中等少年院での処遇は困難と思料されるので、少年は一六歳未満ではあるが、特別少年院に送致し強力な矯正教育を施すのが相当である。

よつて特別少年院送致につき少年法二四条一項三号、少年院法二条少年審判規則三七条一項を、前の保護処分の取消につき少年法二七条二項を各適用し、主文のとおり決定する。

(裁判官 高升五十雄)

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